2006年10月22日
暗号解読—ロゼッタストーンから量子暗号まで
もう一週間ほど前のことになりますが、 ようやくこの本を読みました。
サイモン・シンといえばフェルマーの最終定理なんでしょうが、 実はまだ読んでなくて、暗号解読を先に読みました。 しかし、彼の実力をひしひしと感じ取ることのできる、すばらしい本でした。
基本的に暗号に関する技術は、暗号化・復号化を問わず公表されにくいものですが、 本書は逆にその闇の部分にスポットライトを当てたものです。 暗号の生まれた背景とそれに立ち向かう解読者たち、あるいは、 解読者たちに逆襲するべくあたらしいアルゴリズムを開発する暗号屋。 特に注目すべきは、暗号が解読できたことにって、 あるいは解読できなかったことによって起こった結末までに言及していることでしょう。 すなわち、技術屋の仕事がどれだけ多くの人生に影響を与えているかということを、 まざまざと生々しく見せつけてくれるのです。
もちろん、現在使われている暗号の多くは最新の数学技術を多く取り入れたものです。 そのため、そのあたりは具体的なアルゴリズムの説明も少ないです (というか、これに興味のある人は自分でやればいいし)。 ただ、古典暗号については、 上記の通り歴史的背景をふまえながら具体的なアルゴリズムまで言及されていて、 その意味でも暗号に興味を覚えるのには十分な一冊でしょう。
というわけで、とってもお勧め。
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2006年10月28日
フェルマーの最終定理 ー ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
というわけで、暗号解読に続いてこちらも読んでしまいました。
結論から云うと、こんな時間まで読んでたということからも察せられる通り、 こちらもすばらしい本でした。
暗号解読と同様に、 フェルマーの最終定理に取り組む数学者たちと、 その背後に広がるドラマをうまく扱っているんですが、 暗号解読よりも圧倒的にテンポがよい。 まあ、その昔のほんの一時期、 自分が数学者に憧れていた時代があったことや、 ワイルズのように、そのシンプルな形に魅せられたことがある、 ということによってそのように感じたのかもしれません。 しかし、暗号が秘密のベールに覆われている世界なのに対し、 数学というオープンな世界であること、 および、全編を通して「フェルマーの最終定理」というゴールがある、 という点がテンポを軽快なものにしているのではないでしょうか。
もちろん、ワイルズの証明は現代数学の粋を尽くしたものなので、 私のような一般人とても分かるものではないでしょう。 なので、核心に近づけば近づくほど、数学的な話は少なくなっていきます。 その点で、 少しでも数学をかじったことがある人には物足りない感じがするかもしれません。 しかし逆の観点から云えば、 これだけ数学の核心をさわらずして、 存分にフェルマーの最終定理のおもしろさを伝え、 ひとつの物語として完成させてしまうところは、 さすがサイモン・シンだと云うべきでしょう。
なんだか、久しぶりに『純粋数学やっぱりいいなー』なんて思ってしまいました。
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暗号をめぐる人類の熱き戦いの物語